金曜日の日本の最高司令官の辞任につながった、自衛隊と国防省に関わる一連の不祥事は、国防費の大幅な増加を計画している政府に打撃を与えた。
不正行為の事例により自衛隊に対する国民の信頼が失墜し、おそらく防衛費の増加を賄うための増税のペースがさらに鈍化し、外国人との安全保障協力の深化に悪影響を及ぼしていると学者らは指摘する。
防衛省は7月12日、資格のない護衛艦乗組員に機密情報の管理を委託するなど「特定秘密」の管理ミスに関連した113人を含む自衛官と幹部218人の懲戒処分を発表した。
木原実防衛相は異例の一斉処分を発表した際、記者会見で「機密管理に対する理解が全く足りなかった」と述べた。
2024年7月19日、東京の防衛省で記者会見する木原実防衛相(共同通信)==共同通信
その他の不祥事には、職権乱用、潜水任務の報酬の不正徴収、基地食堂での飲食代の不払いなどの告発が含まれている。 海上自衛隊は木曜日、昨年隊員4人が潜水任務の報酬を不正に受け取った疑いで逮捕されたと発表した。
海自幕僚長の酒井良海将補はその後減給処分を受け、増田一男防衛副大臣と他の高級制服士官4名は、指揮下の隊員に対する管理と監督が不十分だったとして戒告処分を受けた。
職権乱用や一部の情報管理ミスを除き、海自内部で不祥事が発覚し、酒井氏は辞任を決意した。
酒井氏は、これらの不正行為は個別に発生したものの、自衛隊内の「部隊間のコンプライアンスと統治能力の欠如」と、内部の不正行為を意図的に見逃すなどの「組織文化」という共通の根本原因があると述べた。
この動きは、中国、北朝鮮、ロシアによる安全保障上の課題の増大に直面する中、岸田文雄首相の政府が、広範な国民の理解を必要とする増税を通じた日本の防衛予算の大幅増額を目指している中で行われた。
2022年に改訂された3つの重要な安全保障文書によると、日本政府は2023年度から総額43兆円(2,730億ドル)を割り当て、2027年度までの5年間で年間防衛費をほぼ倍増して国内総生産の約2%にすることを目指している。
一方、支持率が2021年10月の発足以来最低水準に低下した岸田内閣は、来年末までに開始される見込みのない増税の時期についての決定を先送りした。
海上自衛隊の幕僚長である酒井良海将は、2024年7月12日に東京の防衛省で記者会見し、海上自衛隊の自衛官や上級隊員218名が暴行を受けたことを受けて謝罪した。当局者らは機密情報の誤った取り扱いを含む一連の問題に関連して同省から制裁を受けた。 (共同)==共同
野党が政府の増税政策への攻撃を強めているため、自衛隊の最近の一連の失策で予定はさらに遅れる可能性がある。
主要野党である立憲民主党の泉健太党首は、スキャンダルがSDSに対する「国民の信頼を損なった」ため、岸田氏は「国防費を増やすために増税するという計画を撤回することを検討すべきだ」と述べた。
和泉氏はまた、今年3月に終了した2023年度の防衛予算計画6兆8000億円超のうち、約1300億円が未消化のままであると岸田政権を批判した。
第一生命経済研究所の首席エコノミスト、熊野英夫氏は、政府は「長期的に増加する」と見込まれる防衛予算について国民の税負担を増やす正当な理由をもっと示すべきだと述べた。
熊野氏は「防衛費に対する国民の目が厳しくなるだろうから、これほど巨額の予算が本当に必要なのか、もう一度国民的な議論をしたほうがいい」と付け加えた。
国際大学客員教授のヤマグチノボル氏は、スキャンダルによってSDSのプライバシーの信頼性に疑問が生じれば、米国との同盟関係や他国との防衛協力関係が損なわれる可能性があると警告した。
インド太平洋地域における中国の軍事的主張の高まりとロシアのウクライナ侵攻の長期化の中で、日本は米国だけでなく、オーストラリア、英国、フィリピンなど同様の考えを持つ他の国々との安全保障協力を強化している。
元陸上自衛隊中将の山口氏は、不適切な行為が発見された場合には、迅速かつ断固として対処することが国民や諸外国の間で日本政府に対する信頼を回復することにつながるため、その重要性を強調した。
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