関係者によると、日本と中国の原子力専門家らは、機能不全に陥った東京電力福島第1原子力発電所から排出される処理水に関する「新たな枠組み」に関する交渉を1月に開始した。
協議は、昨年8月から始まった中国政府による日本産水産物の輸入禁止問題について、昨年11月の日中首脳会談で合意された「協議と対話による解決」に基づいて行われた。
海洋放出に対する中国国内の国民の反発を考慮し、両国政府は1月の交渉内容を公表しないことを事前に決定していた。
今後も数回にわたり交渉を続ける予定だ。
1月の議論はオンラインで行われ、原子力発電所からの水の処理を専門とする当局者が参加した。
日本側には外務省、経済省、環境省、原子力規制庁、東京電力の関係者が参加した。
岸田文雄首相は昨年11月、中国の習近平国家主席との会談で、中国による輸入制限の即時解除を要求した。
これに対し習氏は「核兵器で汚染された水を海洋に放出すれば、全人類の健康と地球規模の海洋環境に影響を与える」と述べ、適切な措置を要求した。
しかし両首脳は最終的に、協議と対話を通じて解決策を模索することで合意した。 岸田氏は後に記者団に対し、今後の協議は専門家レベルの科学に基づいて行われることを期待していると述べた。
関係者によると、両国政府の事務レベルの意思疎通は続いていたが、1月の協議は日中首脳会談を踏まえた「新たな枠組み」と位置付けられた。
1月の交渉は前進とみられているが、中国側は依然として輸入禁止措置を解除する意向を示していない。