新型捕鯨母船「歓栄丸」が5月21日に山口県下関港から出港する。 (動画:白石正幸、賀来正幸)
【山口県下関市】日本の商業捕鯨拡大計画に伴い、日本の新型捕鯨船が初の遠征に出発した。
30年以上の運航を終えて11月に退役した日新丸の後継船「寛栄丸」が5月21日、母港の下関を出港した。
同船を所有する共同捕鯨会社の所英樹社長は出港式で「捕鯨文化を永遠に維持するために協力していく」と述べた。
同氏は、寛栄丸の建設は海上での母船式捕鯨が中断されないことを意味すると述べた。
この方法では、小型船で捕獲したクジラを母船に運び、皮を剥ぎ、肉を冷凍保存します。
寛栄丸は全長112.6メートル、幅21メートル、総トン数9,299トンで、建造費は約75億円(4,800万ドル)。 最大100人の乗組員を乗せ、航続距離は1万3000キロメートルで、南極海まで到達できるほどだ。
日本の捕鯨産業が依然として不況に陥る中、歓栄丸が処女航海に乗り出した。
日本で生産される鯨肉は年間約2000トンにとどまり、1960年代の約100分の1に相当する。
年間約1600トンのクジラ肉を生産する捕鯨最大手の共同船舶は、2022会計年度に営業利益2億円、売上高31億円を計上した。
しかし、寛慶丸の建造費が会社の財務に重くのしかかっていた。
所氏は、鯨肉は日本人に好まれなくなったと語った。 また、若い人はクジラ肉は生臭く、食感が硬いと考える傾向があるとも付け加えた。
水産庁は現在、商業捕鯨の一環としてミンククジラ、ニタリクジラ、イワシクジラの捕獲を認可している。
所氏は、ナガスクジラをリストに追加するという同庁の計画が同社の収益改善に役立つことを期待している。
鯨類研究所によると、大型種のナガスクジラは体長約20メートル、体重約42トン。 大きな個体では体重が80トンに達するものもあります。
ナガスクジラの捕獲には捕鯨母船が率いる船団が必要であり、ナガスクジラを捕獲できるのは共同船舶だけである。
同庁関係者らは、北太平洋での調査を通じてナガスクジラが狩猟を支えるのに十分な量であることを確認したと述べた。
この計画は同庁の審議会での議論を経て、今夏に最終決定される予定だ。
日本が国際捕鯨委員会から脱退した後、2019年に排他的経済水域で商業捕鯨を再開して以来、新種の追加は初めてとなる。
しかし、専門家らは水産庁の計画に疑問を抱いている。
CBIの交渉に数回参加した元政府機関職員の小松正幸氏は、決定は性急だと語った。
小松教授は「科学的研究は発表されていないため判断できない」と述べた。
海洋ガバナンス研究所の研究部長、真田康弘氏は、外国政府機関からの反発が予想されると述べた。
「ナガスクジラはシロナガスクジラに次いで2番目に大きい種で、海洋生物の象徴です」と漁業政策を研究するグループの真田氏は言う。
同氏は「状況に応じてCBIは今年の会合で(政府機関の計画について)審議する可能性がある」と述べた。
反捕鯨団体シー・シェパードの元船長ポール・ワトソン氏は、絶滅危惧種のナガスクジラの商業捕獲は違法であり、同団体は日本の排他的経済水域外での捕鯨活動を阻止すると朝日新聞に語った。
IWCが1982年に商業捕鯨を一時禁止した後、日本はいわゆる「調査捕鯨」を開始した。
しかし国際司法裁判所は2014年、科学的目的でクジラを殺しているという東京の主張に異議を唱え、調査捕鯨の差し止めを命じた。
シーシェパードは南極海における日本の捕鯨調査計画を繰り返し妨害してきた。
日本はワトソン君を国際刑事警察機構を通じて暴行容疑で国際指名手配した。
(この記事は白石正之氏、加藤博則氏が執筆しました。)