国連原子力機関長官は日本政府に対し、廃墟となった福島第一原子力発電所で処理された放射性廃水を継続的に放出する際の透明性の重要性を強調した。
東京 — 国連原子力機関の長官は火曜日、日本政府に対し、崩壊しつつある福島第一原子力発電所で継続的に処理された放射性廃水を放出する際の透明性の重要性を強調した。
国際原子力機関のラファエル・グロッシ事務局長も、日本が安定したクリーンなエネルギー源とみなしている日本の原子力発電能力の増強への支持を表明した。
グロッシ氏が日本を訪れるのは、8月に処理水の放出が始まって以来初めて。 同氏の訪問は、日本が福島事故を引き起こした3月11日の地震と津波から13周年を迎えた翌日に行われた。
2011年の災害により、福島原発の原子炉の電源と冷却機能が損傷し、三重メルトダウンを引き起こし、大量の放射性廃水が蓄積した。 10年以上にわたる浄化作業を経て、同工場は8月24日に水を大量の海水で処理して希釈した後、水を放出し始め、数十年かかると予想されるプロセスを開始した。
この放出には漁業団体や中国を含む近隣諸国が反対し、流出が始まった直後に日本産魚介類の輸入を全面禁止した。
日本は懸念を払拭するため、モニタリングと安全性評価におけるIAEAの支援を要請した。
グロッシ氏は水曜日、地元住民と面会した後、排出施設とサンプリング施設を調査する。 同氏が最後に同工場を訪れたのは、放出による影響はごくわずかであると予測するIAEAの研究結果を発表した後の7月だった。 IAEAの完全な報告書はその後、放出物が国際安全基準を満たしていると結論づけた。
グロッシ氏は斉藤健経済産業大臣に対し、「このプロセスの透明性を示すことが非常に重要だ」と語った。
グロッシ氏はまた、福島第一原子力発電所が運営する新潟県中北地域の停止中の柏崎刈羽原子力発電所を改善するため、日本に技術援助を提供した。 同氏と政府は近いうちに再開したいと考えている。
柏崎刈羽原発の6号機と7号機は再稼働に向けた規制当局の安全性試験に合格したが、2021年に安全上の懸念が浮上して以降の準備は中断された。これらの問題は規制当局が改善を認めた12月まで続いた。
IAEAは東京電力ホールディングスが国民の信頼を獲得できるよう、今月下旬に専門家チームを同発電所に派遣する予定だ。
「私たちは日本の原子力能力をできるだけ早く稼働できるよう支援したいと考えています」とグロッシ氏は斉藤氏に語った。
再開はホストコミュニティの合意が必要なため、不透明なままだ。 1月1日に隣の能登地方で発生した地震により、安全性への懸念が再燃し、原子力規制当局は全国の原子力施設周辺の避難計画の見直しを命じた。
岸田文雄首相の政府は、ロシアの大規模なウクライナ侵攻に関連した燃料費の高騰や脱炭素化目標達成への圧力に対応して、これまでの脱原発計画を中止し、原発利用を加速させている。
グロッシ氏は木曜日に上川陽子外相と会談し、核軍縮、不拡散、北朝鮮とイラン、原子力の平和利用に関する協力について話し合う予定だ。
当局者らによると、日本はまた、ウクライナの原子力発電所をロシアの戦争から守るためのIAEAの取り組みに資金援助を提供したいと考えている。
火曜日初め、グロッシ氏は伊藤慎太郎環境大臣との会談で、福島原発の除染で放射性土壌を除去するためのIAEAの協力を約束した。
土壌は福島県の中間貯蔵施設にある。 安全性試験後に道路建設やその他の公共事業にリサイクルするという政府の計画に対し、激しい抗議活動が起きている。 政府は2045年までに県外に保管する最終計画を約束した。