2024年4月7日 15時28分(日本時間)
アジアの感染症情報を迅速に共有するため、国立感染症研究所(感染研)のチームは、他国や地域の公的研究機関とのネットワーク構築を計画している。
コロナウイルスのパンデミックから学んだ教訓を踏まえ、情報不足が大きな課題となっている一方で、感染研はインド、ベトナム、台湾ですでに共同研究を実施している機関との連携を強化することを目指している。 感染症に関する情報やウイルスに関する解析情報の共有を目的としています。
感染研はネットワークの創設により、次のパンデミックに備えて世界的な協力を強化することを目指している。
計画によると、NIIDのほか、インドの国立コレラ・腸疾患研究所、ベトナムの国立衛生疫学研究所、台湾疾病管理センターがネットワークで中心的な役割を果たすことになる。
新型コロナウイルスのパンデミックでは、各国がウイルスの特性に関する情報を適切に収集できず、対応が遅れたため、国境を越えて感染が拡大した。
このため感染研は広域ネットワークの構築が必要と判断した。
感染研はこのネットワークにおいて主導的な役割を果たすことが期待されている。 23年度から準備を開始し、早ければ2026年度にもネットワークを開始する予定だ。
感染研は当面、他の3機関と協力して感染症の発生状況を調査し、ウイルスや細菌などの病原体に関するデータを収集する。 検査法の開発や診断技術の向上にも取り組む。
このネットワークへの参加が予定されている機関は、東南アジアおよび南アジア地域の 10 か国以上をカバーしています。
感染研は、流行時に病原体が国内に到達した場合を想定し、参加機関が病原体のゲノム情報や隔離された患者検体を共有する緊急対応体制を構築する予定だ。
研究者の不足に直面している同研究所は、研究者をさらに奨励することも目指している。 中国や韓国とも情報共有する。
同様の枠組みはアジア以外にもすでに存在します。 フランスパスツール研究所は、ヨーロッパ、アフリカなどの 20 か国以上の機関のネットワークを確立しています。 感染研では今後、このような枠組みと連携し、グローバルな連携体制を構築していく予定です。
感染研チームは2023年度から2025年度までの3年間の準備期間に、日本医療研究開発機構から最大約2億8500万円の補助を受ける。
感染研副所長でチームリーダーの俣野哲郎氏は「国際貢献の観点からは、アジアの感染症の実態を把握し、感染症の拡大を抑制することが重要だ」と述べた。 「日本が中心となってネットワークの拡大を目指す」。