那覇-沖縄県の玉城デニー知事は、中央政府が南西諸島の防衛強化の準備を進めている中、沖縄県に自衛隊訓練場を建設する計画を撤回するよう木原実防衛相に要請した。
玉城氏は2月17日、沖縄県庁での30分足らずの会談で木原氏に対し、「この計画には同意できない」と語った。 「私たちは政府に計画を撤回し、見直してもらいたいと考えています。 »
2022年に政府が採択した3つの国家安全保障文書のうちの1つである防衛力強化パッケージは、東シナ海における中国の存在感の増大を理由に、沖縄県を中心とする南西部における自衛隊の能力を強化することを求めている。
文書には、那覇市に拠点を置く自衛隊の第15陸上旅団(隊員約2000人)が師団に再編されると記されている。
陸自は師団拡充に必要な幅広い演習に対応するため、沖縄県うるま市に新たな訓練場を開設する予定だ。
「日本が戦後直面した中で最も深刻かつ複雑な安全保障環境に直面しているので、三つの国家安全保障文書に基づいて防衛力を大幅に強化するために時間を無駄にすることはできない」と木原氏は会談で玉城氏に語った。
予定されている訓練場所は住宅地に隣接している。
住民は騒音問題や事故の危険性を懸念している。 近隣自治会はすでにこの計画の中止を求めていた。
木原氏との会談は、玉木氏がこの計画への反対を公に表明した初めてのことだった。
玉城氏は会談後記者団に対し、「政府は特に3つの安全保障文書の公開後、急いで物事を進めた」と語った。 「多くの県民の不安は解消されるどころか、増すばかりです。 »
木原氏は玉城氏との会談に先立ち、米軍基地を抱える沖縄県内11市町村長らと会談した。
うるま市の中村正人市長は木原氏に「国には地元住民の声を真摯に受け止め、この問題に特に配慮していただきたい」と語った。 »
玉城氏と木原氏は、米海兵隊普天間飛行場の沖縄県宜野湾市から同じく同県名護市への移設案をめぐっても隔たりがあった。
玉木氏が復興事業の中止を改めて求める一方、木原氏は政府が分割事業を継続すると強調した。
防衛省は、前月に斉藤鉄夫国土相が玉城氏の承認拒否を覆し、設計変更を委任承認したことを受け、1月に名護市辺野古岬北の大浦湾で埋め立て工事を開始した。
玉城氏は会談で、木原氏、玉城氏、林芳正官房長官、松川正則宜野湾市長らを集めた普天間飛行場負担軽減推進会議の開催を呼びかけた。
最後に会合が行われたのは5年前。
しかし木原氏は、実務者らはこの問題について審議会の下の作業部会で議論すると述べた。
木原氏は会談後、記者団に対し「沖縄基地の負担軽減と南西地域の防衛力の大幅な強化に向け、確実な成果を上げる決意を新たにした」と述べた。
木原氏の沖縄本島訪問は9月の就任以来初めてで、新防衛相としては異例のことだ。
同氏は9月に沖縄県の宮古島と石垣島を訪れ、それぞれ2019年と2023年3月に開設された駐屯地に配備された陸自部隊を視察した。
木原氏は、県が負担する米軍基地の負担軽減を一貫して求めてきた玉城氏と、1月に東京の防衛省で初めて会談した。
(この記事は里見念氏、小野太郎氏、棚橋皐月氏のレポートをもとに編集しました。)